就労移行支援の利用料は、2026年7月1日時点で月0円、9,300円、37,200円のいずれかの自己負担上限に収まるのが基本です。ただし、交通費・昼食代・教材費などの実費は別に確認が必要です。
この記事では、就労移行支援の料金を「福祉サービスの利用料」「通所にかかる実費」「通所中の生活費」に分けて整理します。料金だけを見て判断すると、あとから交通費や昼食代で困ることがあります。見学や申請の前に、どこまで無料で、何が自己負担になりやすいのかを確認しておきましょう。
情報確認日: 2026年7月1日
就労移行支援の料金は月0円から37,200円が目安

就労移行支援の利用料は、サービス費用をそのまま全額払う仕組みではありません。障害福祉サービスの利用者負担として、所得区分ごとに月額の上限が決められています。
厚生労働省が示す障害福祉サービスの利用者負担では、月ごとの負担上限は次のように整理されています。
| 区分 | 主な条件 | 月額負担上限 |
|---|---|---|
| 生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
| 一般1 | 市町村民税課税世帯で、所得割16万円未満 | 9,300円 |
| 一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
つまり、「就労移行支援は無料」と言われることがあるのは、生活保護世帯や市町村民税非課税世帯では利用料の自己負担上限が0円になるためです。一方で、課税状況によっては9,300円または37,200円の上限が設定されます。
ここで大切なのは、上限額は「福祉サービスの利用料」の話だという点です。通所の交通費、昼食代、教材費、訓練に必要な実費まで必ず0円になるとは限りません。
無料になる条件は生活保護世帯・市町村民税非課税世帯

就労移行支援の利用料が0円になりやすいのは、生活保護世帯または市町村民税非課税世帯に該当する場合です。制度上は「低所得」の区分に入ると、障害福祉サービスの月額負担上限が0円になります。
市町村民税非課税かどうかは、本人の感覚ではなく、自治体が確認する課税情報で判断されます。自分では「収入が少ない」と思っていても、前年の所得、配偶者の有無、住民税の扱いによって結果が変わることがあります。
無料になるかを確認する時は、事業所だけでなく、自治体の障害福祉担当窓口にも確認しましょう。事業所は制度の説明をしてくれますが、最終的な支給決定や負担上限月額の確認は自治体側で行われます。
自己負担上限の「世帯」は18歳以上なら本人と配偶者で見る

就労移行支援を利用する18歳以上の人は、自己負担上限を判断する時の「世帯範囲」が原則として本人と配偶者です。親と同居している場合でも、成人の障害福祉サービスでは、親の収入まで必ず同じ世帯として見るわけではありません。
この点は、実家暮らしの人が特に誤解しやすい部分です。「親に収入があるから、自分は無料にならない」と思い込んでしまうと、使える制度を検討する前にあきらめてしまうことがあります。
ただし、制度の判断は自治体の手続きで確認されます。18歳未満の場合は扱いが異なりますし、住民票や配偶者の有無、課税情報の確認も必要です。実家暮らしで料金が不安な人は、「親の収入も見られますか」と自治体窓口にそのまま質問するのが確実です。
一般1は9,300円、一般2は37,200円が上限

市町村民税課税世帯の場合は、一般1または一般2に分かれます。一般1は月額9,300円、一般2は月額37,200円が上限です。
| 区分 | 月額負担上限 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 一般1 | 9,300円 | 市町村民税の所得割が基準内か |
| 一般2 | 37,200円 | 一般1に該当しない課税世帯か |
この上限は、毎月必ずその金額を払うという意味ではありません。実際の利用日数やサービス費用、自治体の決定によって、請求額が上限より少なくなることもあります。
ただし、検索段階では「自分は最大でいくら見ておけばよいか」を知ることが重要です。課税世帯であれば、9,300円または37,200円のどちらに入りそうかを、自治体に確認する前提で見積もっておきましょう。
利用料0円でも交通費・昼食代・教材費は確認が必要

就労移行支援で「無料」と言われる時、多くの場合は福祉サービスの利用料を指しています。通所にかかる交通費、昼食代、教材費、資格試験料、証明写真代、面接用の服装費などは、別の実費として発生することがあります。
見学時には、次のように分けて質問すると確認しやすくなります。
| 費用の種類 | 確認する質問 |
|---|---|
| 利用料 | 自分の負担上限はどの区分になりそうですか |
| 交通費 | 自治体や事業所の補助はありますか |
| 昼食代 | 昼食提供はありますか、自己負担はいくらですか |
| 教材費 | テキスト、PC、資格試験に費用はかかりますか |
| 行事・実習 | 交通費や参加費が別に必要ですか |
「利用料が0円なら全部無料」と考えるより、「利用料は0円でも実費があるかもしれない」と見ておく方が現実的です。
交通費は自治体や事業所で扱いが違う

交通費は、就労移行支援の料金で差が出やすい項目です。自治体に交通費助成がある場合、事業所が独自に補助している場合、自己負担になる場合があります。
特に、週5日通所を目指す人は交通費の影響が大きくなります。片道300円でも、往復600円、月20日通うと12,000円です。利用料が0円でも、交通費だけで負担感が出ることがあります。
見学時には「最寄り駅からの経路」「定期券を使う想定」「在宅訓練の有無」「交通費補助の条件」を確認しましょう。交通費補助がある場合でも、上限額、対象経路、申請書類、支給タイミングが決まっていることがあります。
昼食代・食費は提供の有無と自己負担を分けて見る

昼食代も、事業所によって扱いが異なります。昼食提供がある事業所、食事補助がある事業所、各自で持参または外食する事業所があります。
昼食代は1回あたりの金額が小さく見えても、通所日数が増えると月額では無視できません。1食400円なら月20日で8,000円です。外食中心になると、さらに高くなることがあります。
確認したいのは、昼食提供の有無だけではありません。「毎日利用できるのか」「アレルギーや苦手な食材に対応できるのか」「食費の自己負担はいくらか」「食事提供体制加算などの説明があるか」まで聞いておくと安心です。
就労移行支援に通っている間の収入も別に考える

就労移行支援の料金で見落としやすいのが、通所中の生活費です。就労移行支援は、原則として働くための訓練や支援を受けるサービスであり、通所した日数に応じて賃金が支払われる場所ではありません。
生活費を考える時は、利用料よりも次の3点が大切になることがあります。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 生活費 | 家賃、食費、通信費、医療費を何か月分見込むか |
| 収入 | 雇用保険、傷病手当金、障害年金、家族支援などの有無 |
| 通所頻度 | 週何日から始め、いつ増やすか |
収入や生活費は個別性が高いため、この記事だけで判断しないでください。不安が大きい場合は、自治体、相談支援専門員、医療機関のソーシャルワーカー、ハローワークなどに相談しながら整理しましょう。
料金を確認するタイミングは見学・申請・支給決定の3回

料金は、見学時に一度聞くだけで終わらせない方が安全です。見学、自治体への申請、支給決定後の3回で確認すると、認識違いを減らせます。
| タイミング | 確認すること |
|---|---|
| 見学時 | 事業所で発生する実費、交通費補助、昼食代 |
| 申請時 | 自治体での自己負担上限、必要書類、課税情報 |
| 支給決定後 | 受給者証に記載された負担上限月額、利用開始日 |
事業所の説明だけでは、自治体ごとの判断までは確定しません。一方で、自治体の説明だけでは、事業所独自の実費までは分かりません。両方に確認することで、実際に通い始めてからのズレを減らせます。
見学で聞くべき料金チェックリスト

見学では、料金について遠慮せず具体的に聞いて大丈夫です。むしろ、費用の説明があいまいなまま利用を決める方が危険です。
そのまま使える質問例をまとめます。
| 質問 | 理由 |
|---|---|
| 私の利用料は、どの区分になりそうですか | 0円、9,300円、37,200円の見通しを立てるため |
| 交通費補助はありますか | 毎月の実費を把握するため |
| 昼食代はいくらですか | 通所日数が増えた時の負担を見るため |
| 教材費や資格試験料はかかりますか | 後から追加費用で困らないため |
| 在宅訓練の日は費用や交通費がどうなりますか | 通所頻度の調整に関わるため |
| 支払い方法と請求タイミングはいつですか | 月初・月末の資金繰りを確認するため |
質問への答えが分かりやすい事業所は、利用後のコミュニケーションもしやすい傾向があります。料金説明も、事業所選びの大事な判断材料です。
料金だけで事業所を選ぶと失敗しやすい

就労移行支援を選ぶ時、料金は重要です。しかし、料金だけで事業所を決めると、支援内容や通いやすさとのミスマッチが起きることがあります。
たとえば、交通費が安くても、発達障害への理解が浅い、個別支援計画が具体的でない、実習や定着支援の説明が弱い場合は、就職までの道筋が見えにくくなります。逆に、少し交通費がかかっても、自分の困りごとに合う支援が受けられるなら、長期的には良い選択になることもあります。
判断軸は、次の3つに分けると整理しやすくなります。
| 判断軸 | 見る内容 |
|---|---|
| お金 | 利用料、交通費、昼食代、教材費 |
| 支援内容 | 発達障害への対応、個別支援、実習、定着支援 |
| 続けやすさ | 通所距離、雰囲気、スタッフとの相性、体調への配慮 |
料金は「通い続けられるか」を見るための材料です。安さだけでなく、支援の中身と合わせて比較しましょう。
まとめ:料金は「利用料・実費・生活費」に分けて確認する

就労移行支援の料金は、月額0円、9,300円、37,200円の自己負担上限をまず確認します。そのうえで、交通費、昼食代、教材費などの実費、通所中の生活費を別に見ていくことが大切です。
最後に、確認の順番を整理します。
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | 自分の自己負担上限が0円、9,300円、37,200円のどれに近いか確認する |
| 2 | 事業所で交通費、昼食代、教材費を聞く |
| 3 | 通所中の生活費と収入の見通しを整理する |
| 4 | 自治体の支給決定後、受給者証の負担上限月額を確認する |
料金が不安な時は、見学前に相談して構いません。お金の不安を言語化できると、無理のない通所計画や事業所選びにつながります。
よくある質問
就労移行支援は本当に無料で利用できますか?
生活保護世帯や市町村民税非課税世帯に該当する場合、障害福祉サービスの利用料は月額負担上限0円になることがあります。ただし、交通費、昼食代、教材費などの実費は別に発生する場合があるため、事業所と自治体に確認してください。
実家暮らしだと親の収入も見られますか?
18歳以上の障害福祉サービス利用では、自己負担上限を判断する世帯範囲は原則として本人と配偶者です。親と同居していても、親の収入が必ず同じ世帯として見られるわけではありません。最終判断は自治体に確認しましょう。
就労移行支援で交通費は出ますか?
交通費の扱いは自治体や事業所によって異なります。自治体の助成、事業所独自の補助、自己負担のいずれもあり得るため、見学時に上限額、対象経路、支給条件を確認してください。
昼食代や教材費は利用料に含まれますか?
昼食代、教材費、資格試験料などは、福祉サービスの利用料とは別の実費として扱われることがあります。昼食提供の有無、1食あたりの金額、教材や試験にかかる費用を事前に聞いておくと安心です。
料金が不安な時はどこに相談すればいいですか?
まずは自治体の障害福祉担当窓口、見学予定の就労移行支援事業所、相談支援専門員に相談しましょう。生活費や収入面の不安が大きい場合は、医療機関のソーシャルワーカーやハローワークに相談できることもあります。
参考情報
情報確認日: 2026年7月1日

